咀嚼機能の低い高齢男性は、SMIや握力が低く、歩行速度が遅いが、高齢女性では、BMIが高く、腹囲が長かった

著者名佐藤清香,串田 修,栗田泰成,尾崎悦子,栗山長門,加藤倫卓,赤松利恵,合田敏尚,田原泰玄
発表日2025.03.10
論文タイトルSex Differences in the Association Between Masticatory Function and Sarcopenia Components: The Shizuoka Study
研究の概要口腔機能の低下は、身体機能に影響を及ぼすことが知られており、生活の質を保つためには口腔機能の維持・改善が重要です。口腔機能のひとつである咀嚼機能は、比較的簡単に評価可能ですが、サルコペニアとの関連は一貫した見解が得られていません。この不一致の要因として、性差が関与している可能性があります。そこで、かもけん!検診およびふくけん!検診に参加された65歳以上の方のデータをもとに、咀嚼機能測定用グミゼリーを用いた客観的な咀嚼機能評価とサルコペニアの項目等の関連を検討しました。その結果、咀嚼機能の低い男性ではサルコペニアの項目の測定結果が好ましくなく、女性ではBMIが高く腹囲が長いことが示されました。咀嚼機能が低下している高齢者には、男女で異なる身体状況や筋量に応じた支援が必要であることが示唆されました。
PMID37027980
掲載誌Nutrients